『渡辺のわたし』刊行記念トークイベント

『渡辺のわたし 新装版』斉藤斎藤さんのトークイベントをおこないます。対談の相手は、批評家の佐々木敦さん。ご存知の通り、映画、演劇、音楽など幅広い批評活動をおこなっていらっしゃいますが、文学の分野においても、純文学、ミステリ、エンターテイメントなどジャンルの枠組みを取り払い、偏見も曇りもない視線で同時代の文学を論じ、私達をたえず刺激してくれる存在です。その佐々木さんが、斉藤斎藤さんの短歌をどう読むのか。ここは、短歌ファンでなくても気になるところ。
じつは、このおふたりは、トークの日が初対面となる予定。最初のきっかけは斉藤斎藤さんからのオファー、それを受けてくださった佐々木さんも、「短歌のことは全然知らないんです」とおっしゃりながらも、すでに斉藤斎藤さんの二冊の歌集も読み、以前から興味をもっていたとのことでした。事前の打ち合わせもあえて最低限にして、出会い頭の展開を楽しみたいとおっしゃっています。題して、「短歌のわたし、小説とかの私」。
来年1月15日(日曜日)、紀伊國屋書店新宿本店にて。予約受付は、明日午前10時よりスタートです。定員50名様となっていますので、お早めのご予約を。

予約方法は、紀伊國屋書店の告知サイトをごらんください。


本の贈り物フェア

町なかでは、クリスマスソングが耳に入ってくる季節になりました。
湘南T-SITE湘南蔦屋書店では、現在「本の贈り物」フェアを開催中。このフェアでは、ふだん、一般の書店にはあまり並ばない詩集なども含めて、港の人の本をたくさん扱っていただいています。
今年もあと1か月。「プレゼントを贈ったり、贈られたり」の季節を存分に楽しんでください。
フェアはクリスマス過ぎまで開催予定です。



湘南T-SITE湘南蔦屋書店  JR藤沢駅よりバスで約6分。無料のバスも出ています。

胞子フェア開催中

刊行以来、静かに、けれど着実に胞子を放ちつづけている『胞子文学名作選』。東京・日本橋「タロー書房」で、関連書籍を集めたフェアを開催中です。『胞子文学名作選』に収録された作品が含まれる本、編者の田中美穂さんの著作、きのこや苔、カビの本などなど。図鑑から文学の本、漫画まで、多彩なタイトルが並んでいます。『胞子文学名作選』刊行時にはまだ世に出ていなかったのですが、苔に育てられた子が登場するいしいしんじさんの『悪声』も、担当書店員のかたがしっかり並べてくださいました。
ぜひお立ち寄りいただき、まだまだ広がる胞子の世界をお楽しみください。


タロー書房
半蔵門線・銀座線「三越前」、JR総武線新日本橋」、それぞれの駅から直結の「コレド室町1」の地下1階です。
http://taroshobou.co.jp



本とアートの産直市 at 高円寺

秋の恒例のイベントとなった東京・高円寺でのイベント、「本とアートの産直市」に今年も参加します。これは地元あげてのお祭り「高円寺フェス」内のイベントで、いろいろな出版社が集まり本の販売をします。今年は32の出版社が参加、出版社の人たちも大勢会場に駆けつけることとなりそうです。もちろん港の人も、会場でお待ちしています。
その他、本の交換市、トークイベントなども開催。にぎやかなお祭りになりそうです。
高円寺から中央線で3駅、西荻窪FALL」での「四月と十月」ショーケースも、いよいよ、この週末がファイナルです。秋の一日、ぜひお出かけください。


港の人フェア、NADiff modernにて

現在、東京・渋谷のナディッフモダンにて、港の人フェアをおこなっていただいています。最新刊の詩集『海峡よおやすみなさい』を含む約50点の書籍を並べていただいています。
場所は、Bunkamura地下1階。おとなりのザ・ミュージアムでは、本日19日よりピエール・アレシンスキー展も始まっています。ぜひお立ち寄りください。



「四月と十月」ショーケース

本のイベントが盛りだくさんな秋。一大イベント「かまくらブックフェスタ」を終えた港の人ですが、まだまだたくさんのフェアやイベントが予定されています。
まずご紹介したいのは、東京・西荻窪の雑貨店「FALL」での「四月と十月」展。港の人でもショーケースをやらせていただいたスペースに、今は、美術同人誌「四月と十月」の最新号とバックナンバーが並んでいます。どれも、お手に取ってごらんいただけます。
同人たちの、最新の作品と文章が淡々と並ぶモノクロの冊子。淡々と、と言いましたが、よく見て、よく読めば、大げさな口調では語らなくとも、さまざまなことを感じ、表現し、日々新しいことへと向かっている、紛れもないアーティストたちの姿が浮かび上がってきます。
そして、もちろん、「四月と十月文庫」も並べていただいています。最新刊である遠藤哲夫「理解フノー」はもちろん、現在品切れとさせていただいている、記念すべき最初の四月と十月文庫である「えびな書店店主の記」も、ごく少部数ですがそろえました。牧野さんのサイン本もあります。
また、今回のショーケースに合わせて、「四月と十月」と「港の人」が共同で制作した、ペーパー(同人たちが毎号交替で手掛けてきたこれまでの「四月と十月」の表紙写真、同人や連載の記録、四月と十月文庫のラインナップ等をご紹介)や、通常は、文庫をお買い上げいただいたかただけにおまけについてくる、四月と十月文庫の栞も進呈しています。
会期は今月30日までです。お店は夜8時までやっていますから、お仕事帰りにもどうぞおでかけください。





FALL「四月と十月」

「四月と十月」

斉藤斎藤さんの『渡辺のわたし』の〈わたし〉と〈あなた〉

お名前何とおっしゃいましたっけと言われ斉藤としては斉藤とする


もうすでにあちらこちらで話題にしていただいていますが、斉藤斎藤さんの第一歌集『渡辺のわたし』が、新装版という形で、港の人から出ました。
これまではネット注文によるオンデマンド出版という形で刊行されていて、同時代の短歌を語るときに避けては通れぬ重要な存在であることは、誰もが認める歌集でしたが、今は、そちらでは現在入手できなくなっています。
今回の新装版では、新たに歌人、阿波野巧也さんの解説が収録されています。阿波野さんの解説には、こんな一節があります。
 

この歌集に通底する最も大きいテーマはやはり歌集のタイトルにあるように、〈わたし〉なのだ。〈わたし〉とは何者か。それは歌集内で何度も問われている。


別の箇所で阿波野さんも述べられているように、〈わたし〉ということだけがこの歌集のテーマではないでしょう。でも、斉藤斎藤さんが仕掛けた〈わたし〉への揺さぶりは、短歌表現の上でも、現代に生きるひとりの私にとっても、これから先ずっと、繰り返し、じわじわと、効き目を失わずにいることと思います。
ところで、ほぼ同時に、斉藤斎藤さんの第二歌集『人の道、死ぬと町』が短歌研究社から出ました。タイトルの文字が似た雰囲気になったのは、まったくの偶然です。この新作歌集、版元としてはちょっと悔しいですが、とても完成度の高い、ものすごい歌集です。オンデマンド版をすでに持っていらっしゃるかたも、新装版と、第二歌集とコンプリートするということで、ぜひともよろしくお願いします。

新装版のために書かれた、斉藤斎藤さんのあとがきから引用します。

すべては無常だ。あなたがこれを手にする本屋が、明日があるとは限らないのだ。想像してごらん、amazonのない世界を。


紀伊國屋書店新宿本店で、大々的に展開していただいています。ありがとうございます。
もちろんamazonでもお買い求めいただけます。