刊行書籍

新刊『荒木陽子全愛情集』

7月7日に『荒木陽子全愛情集』を刊行いたしました。長い時間をかけて、じっくり取り組んできた企画です。アラーキーこと荒木経惟さんの妻でエッセイスト、荒木陽子さんが生前に執筆したエッセイ、小説、詩など、これまで単行本に収められてこなかったものも…

祥見知生『うつわと一日』

鎌倉駅から港の人事務所へ向かうとき必ず通る御成通り商店街。周囲の庶民的な雰囲気に溶けこみながらも、すっきりと整った表情が際立つ一軒が、全国のうつわファンから注目されているギャラリー「Onari NEAR」です。うつわ祥見の祥見知生(しょうけん ともお…

合田佐和子『90度のまなざし』

2月17日。画家の合田佐和子さんが亡くなって、1年が経ちました。合田さんは53歳のときから、鎌倉でもひときわ静かな一画に住まい、創作を続けておられました。 合田佐和子さんといえば「眼の画家」としてご存知のかたも多いと思います。1991年、中上健次が…

斉藤斎藤さんの『渡辺のわたし』の〈わたし〉と〈あなた〉

お名前何とおっしゃいましたっけと言われ斉藤としては斉藤とする もうすでにあちらこちらで話題にしていただいていますが、斉藤斎藤さんの第一歌集『渡辺のわたし』が、新装版という形で、港の人から出ました。 これまではネット注文によるオンデマンド出版…

『ロケットの正午を待っている』、刊行いたしました。

文学探訪と聞くと、人はたいてい、文人の足跡を辿りつつ往時をしのぶといった、優雅で奥ゆかしい旅路を思い描くだろう。(中略)だが、ドイツの地に降り立った私がまず訪れたのは、文学の香りとは無縁の史跡だった。たとえばそれは、ハルツ山地の麓に掘られ…

『山田航第二歌集 水に沈む羊』、いよいよ刊行です。

札幌在住の歌人、山田航(やまだわたる)さんの第二歌集が出来上がりました。山田さんは、2012年の第一歌集『さよならバグ・チルドレン』で北海道新聞短歌賞、現代歌人協会賞を受賞。穂村弘さんとの共著『世界中が夕焼け』では穂村さんの短歌を解説し、また…

『初山滋奇人童画家』刊行いたしました。

本当に美しいものを指して「いまだ古びない」ということばがよく使われますが、初山滋の絵は、この表現にもっともふさわしいもののひとつではないでしょうか。絵本「たなばた」や「もず」に親しんだ人も多いと思いますが、透明感のある美しい色彩と躍動感、…

『かまくらパン』、焼き上がりました。

港の人では、これまで、『湘南漁師物語』、『鎌倉広町の森はかくて守られた』など鎌倉が舞台となっている本、鎌倉にゆかりのある文学者の方々の本などを数多く出版してきました。港の人は、鎌倉生まれの鎌倉育ちの出版社。海や山、そして人々。鎌倉からは日…

『法廷通訳人』、好評発売中です。

昨日の「東京新聞」書評欄で、昨年12月に出た本『法廷通訳人』を四方田犬彦さんがご紹介くださいました。四方田犬彦「言葉の壁と人生を見つめ」(東京新聞 1月31日)この本はサブタイトルが「裁判所で日本語と韓国語のあいだを行き来する」となっており、韓…

『僕は、太陽をのむ』を刊行しました

新刊のお知らせです。四月と十月文庫の6冊目は、美術同人誌『四月と十月』の中心人物である牧野伊三夫さんの本です。『四月と十月』に発表してきたものに手を入れた作品や他誌で発表したもの、そして書き下ろしも含めたエッセイが一冊にまとまりました。絵画…

『ハリネズミの耳 音楽随想』を刊行しました

文芸批評家、新保祐司さんの新刊が出ました。 昨年の冬の『シベリウスと宣長』は、新保さんが長年書き継いでいらしたシベリウス論をまとめたものですが、フィンランドの作曲家と江戸の国学者というふたつの名前の取り合わせに、興味をもってくださった方も多…

詩集『世界』が刊行されました

『世界 ポエマ・ナイヴネ』。港の人が初めて出す翻訳詩集となりました。ノーベル賞も受賞したポーランドの国民的詩人、チェスワフ・ミウォシュが1943年に出した詩集です。43年のポーランド。つまりナチスがワルシャワに侵攻した過酷な状況下で、この詩集は地…

小説『海の器』を刊行しました

『海の器』を刊行いたしました。鎌倉在住の女性作家、山口雪香さんによる小説です。山口さんは、歌人であり、女優であり、音楽や絵画もふくめさまざまな分野の芸術に通じていて、その教養の幅広さや美意識の高さが結晶化されたような作品だと言えるでしょう…

『「児童文化」の誕生と展開』を刊行しました

3月末に、『「児童文化」の誕生と展開 大正自由教育時代の子どもの生活と文化』を刊行いたしましたので、ご紹介いたします。 これは、本文864ページ、函入りの本格的な学術書ではありますが、内容は決して難解なものではありません。明治、大正、昭和と、子…

『ポスト三・一一の子どもと文化』を刊行しました

一昨年、港の人では『叢書 児童文化の歴史』全3巻を刊行しましたが、このシリーズをはじめ、上笙一郎さんの著作など、「児童文化」は港の人の出版物の大切なテーマのひとつになっています。『叢書 児童文化の歴史』の編者でもあった、加藤理さんと鵜野祐介さ…

姜信子『生きとし生ける空白の物語』を刊行しました。

姜信子(きょう・のぶこ)さんの『生きとし生ける空白の物語』。姜さんの著作は、港の人では『はじまれ 犀の角問わず語り』に続く2冊目になります。『はじまれ』は、書店や読者の皆様を驚かせる白一面の装幀でしたが、一転、こちらは色彩豊かな本に仕上がり…

稲葉真弓詩集『心のてのひらに』を刊行します

稲葉真弓さんの詩集『心のてのひらに』ができあがりました。 港の人では昨年の3月、稲葉さんの『連作・志摩 ひかりへの旅』を出版しました。稲葉さんが愛した志摩半島の柔らかい光があふれてくるような詩が収められた詩集です。稲葉さんの訃報を受け取ったの…

新刊『シベリウスと宣長』をご紹介します

『シベリウスと宣長』が刊行されました。 著者の新保祐司さんは、これまでに『内村鑑三』『鈴二つ』(以上、構想社)、『島木健作──義に飢ゑ渇く者』(リブロポート)、『フリードリヒ 崇高のマリア』(角川学芸出版)、『異形の明治』(藤原書店)など、多…

新刊句集と先行販売のお知らせ

注目の若手俳人、佐藤文香(さとうあやか)さんの新句集『君に目があり見開かれ』が今月発売されます。日常と隣り合っていながらもまったく新しい感覚の世界。俳句を通じて、その未知の世界をつかみとっていこうとする意欲にあふれた、みずみずしく力強い句…

『中島敦「マリヤン」とモデルのマリア・ギボン』、刊行されました。

「李陵」「山月記」などで知られる小説家、中島敦。彼は1941年に南の島、パラオの南洋庁に赴任し翌年3月まで滞在したのですが、喘息が悪化し、その年の12月に33歳でこの世を去ることになってしまいます。わずか8カ月の滞在でしたが、このときの経験をもとに…

新刊/『わたしの東京風景』

「四月と十月文庫」の最新刊が出ました。『わたしの東京風景』です。文章は鈴木伸子さん。東京生まれ、雑誌「東京人」の副編集長を務めたこともある東京の達人ですが、この本で鈴木さんが東京という町を見つめる目は、マニア的なものとはむしろ逆方向。プレ…

新刊/『晩年にみる英米作家の生き方 モーム、ミラー、アップダイクほか15人の歩んだ道』

立て続けに出ました7月の新刊は、ユニークな評伝集です。有名な英米作家たちを、その晩年に焦点をあてて紹介する本です。取り上げる作家は、サブタイトルにある、サマセット・モーム、ヘンリー・ミラー、ジョン・アップダイクのほか、「大草原の小さな家」…

新刊/詩集『Dear Deer!』(稲葉江利加)が出来上がりました。

梅雨明け間近の海の日、稲葉江利加さんの詩集『Dear Deer!』が刊行されました。稲葉さんは、釧路出身で千葉県在住の詩人。この詩集は、故郷釧路を舞台に青春や家族の姿をうたう詩が中心になっています。厳寒の地で生きることの厳しさや悲しみを漂わせつつも…

新刊/詩集『妻を送る』(本堂明)が出来上がりました。

6月の新刊のお知らせです。本堂明さんの詩集『妻を送る 亡き人に贈る詩の架け橋』が出来上がりました。本詩集は、長年連れ添ってきた最愛の妻をガンで亡くした著者が、10年におよぶ闘病生活と別れとを綴った詩集です。装幀は清水理江さん。著者の本堂さんは…

新刊『開成所単語集Ⅰ 英吉利単語篇・法朗西単語篇・英仏単語篇注解・対照表・索引』

5月の新刊のお知らせです。日本語学の書籍新刊が出来上がりました。櫻井豪人編著『開成所単語集Ⅰ 英吉利単語篇・法朗西単語篇・英仏単語篇注解・対照表・索引』。幕末期、江戸幕府の洋学研究教育機関であった開成所(かいせいじょ)が刊行した貴重な単語集…

『胞子文学名作選』2刷目が出来上がりました!

このたび、『胞子文学名作選』を増刷しました! 昨年9月に刊行した『胞子文学名作選』ですが、おかげさまで今年に入ってからも注文が途切れず、しばらく版元からの出荷もストップしていました。凝りに凝った装幀・造本のため、「本の雑誌」3月号に掲載され…

新刊/稲葉真弓詩集『連作・志摩 ひかりへの旅』が出来上がりました!

ご紹介が遅くなりましたが、3月の新刊のご案内です。このたび、詩人・小説家の稲葉真弓さんの最新詩集『連作・志摩 ひかりへの旅』を刊行しました。稲葉真弓さんの詩集は、前作『母音の川』から12年ぶりとなります。装幀は関宙明(ミスター・ユニバース)さ…

新刊/ごとう早苗詩集『めぐりあい』が出来上がりました!

3月の新刊のご案内です。大阪で活躍する新鋭詩人、ごとう早苗さんの第一詩集『めぐりあい』です。孤独な女と男の出会いを演出するこの詩集の世界は、軽妙でやさしい言葉が心地よく響き、わたしたちの気持ちをうっとりと沈ませ、そしてほっこりと和ませてくれ…

新刊/四方田犬彦詩集『わが煉獄』が出来上がりました!

2014年最初に刊行書籍のご案内です。2月の新刊として、四方田犬彦さんの詩集『わが煉獄』を刊行しました。四方田犬彦さんは、作家・評論家として、映画、文学、漫画といったさまざまなジャンルで活躍されていますが、実は詩人としても過去に2冊の詩集を刊行…

山村由紀詩集『青の棕櫚』が出来上がりました。

*真っ白な紙に青く光る文字が浮かびます。 *カバー裏には真っ青な棕櫚(しゅろ)の絵。 *カバーをめくると真っ青な表紙が現われます。 *本文ページ。 11月新刊書籍のご案内です。山村由紀さんの最新詩集『青の棕櫚』が出来上がりました。山村由紀さんは…