2010年もお世話になりました。



【港の人 2010年刊行書籍】

W. D. スノッドグラス詩集』(W. D. スノッドグラス著/新倉俊一、西原克政訳)
アメリカのライト・ヴァース』(西原克政著)
自然の中に、人との出会いに』(塚本智子著)
曠野と演劇』(上田美佐子著)
近代日本方言資料集[郡誌編]第5巻』(木村晟、古瀬順一田中宣廣編)
解読『英和対訳袖珍辞書』原稿 初版および再版』(堀孝彦、三好 彰編著)
鈴を産むひばり』(光森裕樹著)
ひかる雨が降りそそぐ庭にいて』(宇佐美孝二著)
石都奇譚集 ストーンタウン・ストーリーズ 』(飯沢耕太郎著)
『とはずがたり』の鎌倉 国文学解釈雑叢』(鈴木良昭著) 
夜の甘み 』(伊藤啓子著)
きのこ文学名作選』(飯沢耕太郎編)



2010年も残り3日となりました。港の人も27日で仕事納めとなり、仕事始めは来年1月5日からとなります。あっという間の1年でしたが、今年もたくさんの方々にお世話になりました。

 
今年一年をふりかえってみると、なんといっても『きのこ文学名作選』の刊行が大きなできごとでした。その内容から造本までこんなに凝った本を作れたのは、これが初めてかもしれません。11月末に刊行したばかりだというのに、先日の「産經新聞」で「今年 私の3冊」に選んでいただいたり、「中日新聞」で丁寧な取材記事を掲載していただいたりと、たくさんの反響が寄せられています。『きのこ文学名作選』が多くの人の手にわたり、気に入っていただければ何よりです。また、この本をきっかけに少しでも港の人の仕事を知ってもらえたら、と願っています。


他にも、たくさんの本を出版することができました。港の人が大変お世話になっている、両国の劇場シアターカイの総支配人、上田美佐子さんの初著作集『曠野と演劇』も刊行することができましたし、長年かかって刊行してきた、『近代日本方言資料集[郡誌編]』全8巻もようやく全巻完結しました。また、昨年から始めた「活版印刷詩集プロジェクト」も軌道に乗り始め、順調に作品を増やしています。非売品のため紹介していないものもいくつかありますが、山形の詩人、伊藤啓子さんの詩集『夜の甘み 』や、大きな反響を呼び2刷までいった『鈴を産むひばり』などが、この「活版印刷詩集プロジェクト」から生まれた作品です。


そして、今年は『きのこ文学名作選』の刊行を機に、書店でのフェアやイベントを展開することができました。古書信天翁刊行記念トークイベントを行ったり、青山ブックセンター本店で刊行記念フェア「にょきにょき きのこブックス」を、往来堂書店で「港の人フェア」を開催していただいたり。今年の春頃、これまでより営業に力を入れていこう、と社長と話し合い、書店へ足を運ぶ機会を増やしたり、イベントなどにも積極的に参加するように心がけてきました。もちろん本の力があったからこその成果ではありますが、書店員さんから話が聞けるようになったり、色々な人と知り合えたことは、私にとっても大きな励みとなりました。『きのこ文学名作選』の関連フェア&イベントとしては、ジュンク堂新宿店で1月28日(金)に、飯沢耕太郎さんと祖父江慎さんによるトークイベント「キノコにうっとり」も予定されています。こちらもぜひよろしくお願いします。



イベントといえば、今年は「港の人ポエトリー・リーディング」も始めました。第1回は、長谷の一花屋さんを会場にお借りして、若手詩人ユニット「氵(サンズイ)」の3人によるポエトリー・リーディングを行いました。第2回も、現在企画中ですので、ぜひ楽しみにしていてください。


港の人にとって、これまでとはまた違った種類の本を刊行できたこと、イベントなど外に向けた発信を行えるようになったことが、2010年の収穫でした。来年もまた新しい試みにチャレンジできるよう、ますます頑張っていきたいと思います。個人的には、書店営業にもっと力を入れること、編集の仕事ももっと頑張ること、できれば自分の企画を本にすること、が来年の目標です。



今年も大変お世話になりました。2011年もよろしくお願いいたします。