石田千さんと有山達也『装幀のなかの絵』



有山達也さんがアートディレクションをつとめる雑誌「クウネル」3月号で、『装幀のなかの絵』が紹介されています。作家の石田千さんが、「原始のひかり」というタイトルの文章を書いてくれました。


有山さんは、石田千さんの著書のうち、これまでに4冊の本の装幀の手がけています。『しろい紅』『きんぴらふねふね』『並木印象』、そして先日刊行されたばかりの新刊『きなりの雲』。石田さんは、この「原始のひかり」という文章のなかで、一緒に本をつくってきた有山さんのこと、その仕事ぶりや自身の思いについて語られています。


 有山さんと仕事をするたびに、かたくきしむ心身を申し訳なく思う。いつか、有山さんのこころに届くものができたらうれしい。そう思える方と仕事ができることを、なによりありがたいと思う。これは、有山さんと仕事をされているみなさんにも、読者のみなさんにも、クウネルくんにも、チィチィにも、きっとうなずいてもらえる。
 両腕をのばす。それから、深く息を吸って、またのばす。ほんのすこしだけ、さきに届いた。
 有山さんは、いつもそこで待っていてくださる。
 その素朴な到達は、きっと原始時代のひとたちがいまに残してくれた光と思う。


「原始のひかり」石田千(「クウネル」2012年3月号)

あたたかいエッセイのような、有山さんへの手紙のような、石田千さんの「原始のひかり」。ぜひ「クウネル」本誌にて読んでみてください。


また「クウネル」HPでは、カメラマンの長野陽一さんが、『装幀のなかの絵』の書評を書いてくれました。こちらもぜひ読んでみてください。