『ことしのなつやすみ』について



片岡直子さんの『ことしのなつやすみ』の装幀を手掛けているデザイナーの関宙明さんが、次のような感想を書いてくれました。

http://www.mr-universe.jp/site/mt32/2009/07/post_797.html#more


関さんが書かれているように、「さわやかさ」というのは、この本のとても大事なテーマだと思います。片岡直子さんが書かれる文章には、やさしいなかに、鋭い攻撃性がひそんでいます。淡々と日々のことを語りながら、世の夫たちに対して、詩の世界に対して、ときにきびしいことばを突きつける、そんな瞬間が不意にあらわれる。それは、女としてのさまざまな顔をもつ、片岡さんの生き方に由来したものかもしれません。にもかかわらず、そこに下品さや、いやらしさのようなものは感じられません。おそらく、片岡さんのことばが持つ「さわやかさ」のせいなのでしょう。どんなにきびしいことばを投げつけても、後味のよい小気味よさを感じさせます。


少し大げさかもしれませんが、この本の装幀は、そうした「さわやかさ」と、ときおり見せる「きびしさ」との、両方を表現しているように思います。夏らしいあざやかな色合いのなかに、たくさんの思いがこめられています。今週あたり、そろそろ書店でも置かれ始めている頃です。黄色い表紙を目印に、ぜひ手にとってみてください。