新刊『きのこ文学名作選』(飯沢耕太郎編)





*帯とカバーを取るとこうなります。


*目次と本とびら。




新刊『きのこ文学名作選』(飯沢耕太郎編)ができあがりました! 本書は、写真評論家であり、近年はきのこ文学評論家としても活躍している飯沢耕太郎さんが編んだ「きのこ文学」傑作アンソロジー本です。古くは今昔物語、狂言集から現代作家の小説や詩まで、「きのこ」にまつわる日本文学作品の中から、珠玉の16作品が収録されています。


祖父江慎(コズフィッシュ)さんによるブックデザインは遊び心満載で、写真では伝わらないくらい手の込んだものになっています。きのこがにょきにょきと生えてくるような、不思議であやしげな本に仕上がりました。そろそろ書店でも並びはじめている頃だと思いますので、ぜひ書店で手にとってみてください。


また、本書は限定3000部です。特殊な紙を使っていることもあり、特装版での増刷の予定はありません。ぜひお早めにお買い求めください。


「きのこ文学」とは何か? 字義的にいえば、きのこが登場する小説、詩、エッセイなどのことだ。むろんその数は膨大なものだが、読者の想像力を大きく拡張し、現実世界とはまったく様相が異なる「アナザーワールド」へと導く、真の意味での「きのこ文学」はそれほど多くない。本書は数ある「きのこ小説」、「きのこ詩」のなかから、きのこという奇なる存在への愛、驚き、畏怖、歓びに貫かれた極めつけの名作のみを厳選したアンソロジーである。一読、たちまち魂は地上を離れ、きのこたちの菌糸の震え、胞子の舞い、囁き交わす声と同調して、永劫の時空をさまよい続けるだろう。「きのこ文学」とは何か? それは文学の可能性そのものであり、ほとばしり、輝きを放つその生命力の発現だ。いま、その未踏の領域に向けて、扉が大きく開かれようとしている。


飯沢耕太郎/巻頭言(『きのこ文学名作選』より)