新刊詩集『鳥の意思、それは静かに』(宮岡絵美)を刊行しました。


このたび、宮岡絵美さんの第一詩集『鳥の意思、それは静かに』を刊行しました。宮岡絵美さんは、大阪府生まれの新鋭詩人。本誌集には、雑誌「ユリイカ」に掲載された表題作ほか計34作品を収録しています。装幀は「港の人装幀室」(!)、表紙に描かれた絵は、ガリレオ・ガリレイ『天文対話』からとったものです。


詩とは何か、生きるとは何かを問いかける、静かに、烈しい祈りがこめられた詩集です。


本詩集は、若い人に読んでもらいたいという著者の意向により、手にとりやすい値段となっています。基本的には書店での店頭販売を行っていませんが、店頭にてご注文いただければいつでも購入可能です。また現在開催中のガケ書房での「港の人の本と古本フェア」では特別に販売しています。お急ぎの方は、amazonにてご購入ください(来週には入荷する予定です)。



 詩とは何だろう。まだ詩とは何なのか、よくわからない。しかし、それは人間が人間として生きることと密接に関連していることを、詩を書くことを通して深く感じてきた。それはまるで本能のようでもある。書かざるを得ないようにして、書き始めたことをくっきりと覚えている。とても不思議な体験であった。
詩を書くことは、自然への叫びであり、人間それ自体への希求であり、言葉への憧憬であり、理想の追求である。


 各詩篇は、世界の関連のなかに在ることができるだろうか。人間にとって光とは何か、存在とは何だろうか。
人生の深淵を見出すことができるだろうか。わたしはまだ道の途中である。


 各詩篇は、ひとりの不完全な人間の思考の記録でもある。読んで頂けるだけでも幸せなことであるが、もし各詩篇
読んでくださった方が、少しでも、生きるということ、或いは人間と自然との関係について思いを巡らす時間を
持って頂くことができたら、素晴らしいことである。


 わたしは詩で、何かができるのではないかと思っている。平和への手段として、人へのメッセージとして、
人間が人間として生きることの語りとして。それはまだ、かたちをとり始めたばかりだけれど、地球の上に生まれた
人類のなかの一構成員として、この小さな一生をとおして、何がしか貢献することができればと考えている。




宮岡絵美『鳥の意思、それは静かに』「あとがき」より

宮岡絵美さんのHP「生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける



鳥の意思、それは静かに

鳥の意思、それは静かに