新刊『生命倫理学と現代』(岡部一興 著)



9月の新刊『生命倫理学と現代』(岡部一興 著)のご紹介です。本書は、生命倫理学の視点から現代のわたしたちが直面しているさまざまな問題を取り上げ、その問題のあり方と解決のいとぐちを考えてゆく一冊。


生命倫理学」とは、生命に関する倫理学的問題を扱う研究であり、生物学、医学、哲学、政治学、法学……などさまざまな学問と関連がある研究でもあります。高度医療が発達した現代社会における生命とはなにか。わたしたちの死はいつから「死」なのか。インフォームド・コンセント、人工妊娠中絶、脳死、臓器移植、安楽死尊厳死、環境汚染など、本書では「生と死」をめぐるさまざまな問題を読み解いていきます。


初めての人にもよくわかる生命倫理学の入門書です。



生命科学技術の発達によって、生命倫理が科学技術の僕に成り下がっていないだろうか。近代的な医療機器の利用は必要だが、全てそれらの医療機器の判断に頼りきりになり、また何が何でも生き伸びようとするあくなき人間の願望が倫理的側面をないがしろにして、さまざまな問題を引き起こしてはいないだろうか。


本書は、生命倫理学の基礎的なテーマを追求すると共に、新たな方向を見出そうと考えて叙述したが、試論的なものにとどまっている部分もある。従って、生命倫理学を学ぼうとする方々が、この書を読んで今日の医学、医療を考え、さらに発展させて頂く一助になれば幸いである。



「はじめに」より

生命倫理学と現代』
著者:岡部一興
造本:A5判/ソフトカバー/本文96頁
定価:1,000円(本体価格・税別)
装丁:倉茂透
ISBN978-4-89629-255-8 C0012
http://www.minatonohito.jp/products/132_01.html