今野真二教授トークイベント、無事に終了!



*貴重なボール表紙本の数々



夏目漱石作品のスクラップブック



夏目漱石三四郎」が連載されていた「大阪朝日新聞


3月9日(土)東京堂書店神田神保町店で行われた、日本語学者の今野真二教授トークイベント「明治の日本語を探検する」は、盛況のうちに終了しました。夏目漱石の作品やボール表紙本に書かれた日本語をもとに、明治の日本語とはどのようなものだったのかを探るこのトークイベント。当時の刊行物や手書きの資料などをもとに、現在では当たり前のように使われている日本語がどのように生まれたのか、明治時代にはどのような日本語が使われていたのか、を追求していく今野教授はまるで名探偵のようで、私自身もどんどん話に引き込まれてしまいました。


今野教授のお話で印象に残っているのは、「私たちが昔のことを知ろうとすると、どうしても今の時代の視点から当時を考えようとしてしまう。けれども研究に必要なのは、その当時の視点に立って考えること。そのためにも、その当時どのように書物が流通していたのか、当時の読者にどのように読まれていたのかといった細部を教えてくれる、「物」としての書物が必要なのだ」ということ。それこそが教授が提言する「文献日本語学」の基本的な考えなのだと思います。


また会場には、ボール表紙本をはじめ、夏目漱石の『三四郎』が連載されていた「大阪朝日新聞」、おそらく読者が作ったであろう『こころ』『道草』のスクラップブックなど、今野教授が持って来てくださった貴重な資料もたくさん並び、トーク終了後もみなさん熱心にそれらを眺めていました。


東京堂書店の3階では、今野真二教授の選書フェア「日本語と書物の深層へ」も開催中です。こちらのフェアももうすぐ終了してしまいますので、ご興味のある方はどうぞお早めにお越しください。