2013年も大変お世話になりました。


2013年も残りわずかとなりました。港の人では、今年は10冊の本を刊行することができました。


マダガスカルへ写真を撮りに行く』(四月と十月文庫 4)堀内孝著
忘れられない日本人移民 ブラジルへ渡った記録映像作家の旅』岡村淳著
安永九年 当世阿多福仮面 本文と総索引鈴木雅子、村上もと編著
シンガポールで〈おはながわらった〉 絵本と紙しばいの会の30年シンガポール絵本と紙しばいの会著
『言海』と明治の日本語今野真二
胞子文学名作選田中美穂
詩集『ジャム 煮えよ』坂多瑩子著
歌集『やがて秋茄子へと到る』堂園昌彦著
北村季吟『伊勢紀行』と黎明期の松坂文化  貞享四年松坂滞在日記を読む』井上正和著
詩集『青の棕櫚』山村由紀著


今年は、久々の「四月と十月文庫」新刊として『マダガスカルへ写真を撮りに行く』の刊行から1年がスタートしました。春に刊行した岡村淳さんの『忘れられない日本人移民』は、新聞や雑誌でもたくさん取り上げられ、大きな話題となりました。港の人にとって大事な詩集の刊行は、今年は『ジャム 煮えよ』『青の棕櫚』の2冊です。また港の人にとってもうひとつの屋台骨ともいえる日本語学の本では、『安永九年 当世阿多福仮面 本文と総索引』、それからこれで4冊目となる今野真二先生の本『『言海』と明治の日本語』を刊行しました。三重の松坂文化を検証した、井上正和さんの『北村季吟『伊勢紀行』と黎明期の松坂文化』も好評です。


とはいえ、やはり今年は9月に刊行した2冊が大きな話題を呼んだ1年でした。田中美穂編『胞子文学名作選』と堂園昌彦歌集『やがて秋茄子へと到る』。『胞子文学名作選』は全国でたくさんの関連フェアを開催していただいた他、松田水緒さんによる原画展や、かまくらブックフェスタでのトークイベントなど、さまざまなイベントを開催できました。『やがて秋茄子へと到る』は特に紀伊國屋書店新宿本店で熱心に販売していただいたおかげか、発売後すぐに増刷することができました。まさに「胞子と秋茄子」に盛り上がった2013年下半期でした。


そして、今日もうれしいニュースが飛び込んできました。『胞子文学名作選』が「キノベス!2014」の第25位にランクインしたのです。「キノベス!2014」は、「過去1年間に出版された新刊(文庫化タイトル除く)を対象に、紀伊國屋書店スタッフが自分で読んでみて本当に面白い、ぜひ読んでほしい本を選び、お客様におすすめしようという企画」です。25位とはいえ、今年刊行されたたくさんの本のなかから、『胞子文学名作選』を選んでいただき、とても嬉しいです。


今年も大変お世話になりました。来年も、一冊一冊の書物と丁寧に向き合っていきたいと思います。2013年もよろしくお願いいたします。