新刊/稲葉真弓詩集『連作・志摩 ひかりへの旅』が出来上がりました!




ご紹介が遅くなりましたが、3月の新刊のご案内です。このたび、詩人・小説家の稲葉真弓さんの最新詩集『連作・志摩 ひかりへの旅』を刊行しました。稲葉真弓さんの詩集は、前作『母音の川』から12年ぶりとなります。装幀は関宙明(ミスター・ユニバース)さん。空に射す光のような、静かでいてあたたかみのある詩集が出来上がりました。


本詩集は、そのタイトル通り、多くが志摩半島に関する詩編から構成されています。志摩半島は、2011年に刊行された稲葉真弓さんの小説『半島へ』の舞台となった場所でもあります。『半島へ』では、志摩半島に建てた別荘で過ごす女性の春夏秋冬が描かれていましたが、詩集『連作・志摩 ひかりへの旅』にもまた、志摩半島のゆたかな自然とそこで生きる生物たちが、四季おりおりに描かれています。自然と交わり、そこから降りそそぐ光を見つめるこの詩集は、この地を愛おしみ暮らす稲葉さんのあたたかい視線に満ちています。まさに「生命讃歌」の詩集です。


タイトルに「連作・志摩」とあるのは、詩編の多くが志摩半島に関するものであり、そこでの生活が基になっているからである。年中柔らかな光に覆われた半島の隅々を、目に見えないものたち、掴み得ないものたちが絶えず通り過ぎる。その瞬間、光はなにか生き生きした、そして艶めかしいものとなって私の体にまといつく。土地の光や空気は私にとって、半島でのもうひとつの衣服のようなものであった。
その衣服を着てこの詩集と向き合うとき、半島の鳥の羽ばたき、小さな植物たちも一緒に輝く。
なんといっても、いとしく、うれしい詩集となった。


「後記」より

『連作・志摩 ひかりへの旅』
[著者]稲葉真弓
[造本]A5判/上製本/カバー装/本文208頁
[定価]2,200円(本体価格・税別)
ISBN978-4-89629-272-5 C0092
http://www.minatonohito.jp/products/147_01.html