万田邦敏監督の最新作『イヌミチ』がいよいよ公開!


今日は新作の映画をご紹介します。以前、弊社から映画批評集『再履修とっても恥ずかしゼミナール』を刊行した、映画監督の万田邦敏さんの最新作『イヌミチ』が、今週末から渋谷ユーロスペースにて公開されます。


万田邦敏監督の長編作品としては、2008年の『接吻』以来、約6年ぶりの公開となります。本作は、恋人との関係や日々の仕事に倦んだ30歳間近の主人公の女性が、見ず知らずの男の家に転がり込み、そこで「イヌ」としての生活を始めるという、ちょっと変わった物語。ふとしたきっかけで「今から自分はイヌになろう」と決意した彼女は、四つん這いになり首輪をはめられ、文字通り「イヌミチ=犬の道」を突き進みます。


「女が男の飼い犬になる」と聞くと過激なストーリーのように思いますが、この映画のおもしろいところは、飼い主である男よりも、イヌになる女のほうが終始迷いのない毅然とした態度を取りつづけることです。イヌとして男に本気でじゃれつく姿は、見ていて思わず笑ってしまいました。見ているうちに、なぜ彼女はイヌになろうとしたのかという疑問は消え、彼女はどうしてもイヌにならなければいけなかったのだと妙に納得してしまう、不思議な映画でした。


「イヌミチ」を極めた彼女は、この先どんな生きる苦しみを体験しても、胸を張って生き抜いていくような気がします。『UNLOVED』『接吻』のように、いつも強い女性を描いてきた万田邦敏監督。新作の『イヌミチ』もまた、ふしぎな強さをもった女性が魅力的に描かれた映画です。


『イヌミチ』は3月22日(土)から渋谷ユーロスペースにて3週間限定で公開。レイトショーでの公開ですので、どうぞお見逃しなく。



『イヌミチ』オフィシャルサイト
*3月21日には『イヌミチ』公開記念前夜祭「万田邦敏のエイガミチ 〜8ミリからイヌミチへ」開催。