『僕は、太陽をのむ』刊行記念、音楽と絵の即興ライブ


「四月と十月文庫」最新刊、牧野伊三夫さんの初めての画文集『僕は、太陽をのむ』、あちらこちらで「いい本だね」という評判を頂いていて、とてもありがたいです。そのようにおっしゃっていただくとき、どのかたもなんとも言えない穏やかな笑顔を見せてくださり、シンプルな言葉のなかにいろいろな思いがこもっていることが感じられ、いっそうありがたい思いにさせられます。
さて、刊行を記念して、牧野さんのライブペインティングをおこなうことになりました。共演は、ジャズ・ミュージシャンの坂田明さん。長年のファンである牧野さんのオファーに坂田さんが応えてくださり、牧野さんの夢が実現しました。まだ1カ月以上先ですが、牧野さんは連日坂田さんのCDを聴きまくって今から胸を高鳴らせている様子。興奮しすぎた牧野さんが絵の具をまき散らしてもいいように、スタッフのほうも、万全を期して着々と準備を進めています。
『僕は、太陽をのむ』には、牧野さんが初めてライブペインティングをしたときのことを書いた文章があります。この時、音楽はジャズピアニストの三浦陽子さんでした。一部を引用してみます。

絵にしても音楽にしても、表現する前に、なんらかの刺激による心の振動のようなものがまず最初にあって、その後表現がはじまるのだと思う。心が振動するという段階では、まだ、音楽にも絵にもなっていないのだ。音楽とのコラボレーションでは、途中、何度もこの、形をもたない地点にたち帰る。(中略)
音楽は、時間とともに経過して、ひとつの形を成していく。はじまりから、次、そして次という連なりのすべてが、ひとつの表現になっているのだ。だから、風景のように、一瞬で全体を見渡すことは不可能だ。そこで、次々と現れる音を受け入れて、意識のなかに音の風景を作るようにしてみた。そうして形作られた風景を、どっとまとめてはきだして描く。長い曲のときは、それを段階的に行う。僕は、こうしたやり方を「蓄音描画法」と名づけることにした。

会場は大きなホールではなく、密閉されたスタジオ空間ですので、サックスの音と絵の具の飛沫を受けながらの、貴重なライブ体験になると思います。お席に限りがありますので、ぜひお早めにご予約ください。鎌倉各所での前売りチケット販売もおこなっています。


音楽と絵の即興ライブ
出演:坂田明(サックス)/牧野伊三夫(絵)/岡崎武志(司会)
日時:2016年3月28日(月)開場18時30分/開演19時
会場:鎌倉芸術館鎌倉市大船6-1-2)/JR大船駅東口徒歩10分
チケット:前売り 2,000円/当日 2,300円
お申込み:港の人 TEL 0467-60-1374/info@minatonohito.jp
     ヒグラシ文庫 TEL 080-2561-7419(16時から)/higubun1208@gmail.com
チケット取り扱い店:たらば書房(鎌倉駅西口)、ブックスモブロヒグラシ文庫、港の人