本屋で見つけた風景 その2


前回の日記に引き続き、書店で見つけた〈港の人〉の本のことを書きます。


写真は、東京駅のすぐ近くにある東京八重洲ブックセンターさんに置かれていた、『鎌倉広町の森はかくて守られた』です。4階の「政治学」のコーナーで平積みされていただけでなく、弊社でつくった宣伝用ポスターも貼ってくれていました。


この棚は、ちょっとした特集コーナーのようになっており、他にも「まちづくり」に関する本が並んでいました。『鎌倉広町の森はかくて守られた』は、再開発によって姿を消そうとしていた「広町の森」が、地域住民の方々の市民運動によって守られた軌跡を描いた書籍です。この本がおもしろいのは、市民運動環境保全などとまったく縁のなかった一般の方々が、「自分たちの住む町にある森を守りたい」という思いだけで立ち上がり、それがいつしか県や市を動かすほどの大きな成果をあげたことにあります。そもそもこの運動は、ひとりの主婦が森に測定に訪れた業者を見つけ、「広町の森が再開発されるのではないか」と気付いたという、小さなきっかけによって生まれました。自分たちの手で自分たちの住む場所を守りたい、という純粋な思いが、結果的に大規模な市民運動に発展したのです。


どちらかといえば、「環境」に関する本として扱ってもらう書店が多いのですが、地域の「まちづくり」に関する本としてもためになる一冊だと思います。

http://www.minatonohito.jp/books/b081.html