装幀のこと


新刊『トーキング・ボディ 英語からだ表現辞典』ですが、この本の表紙、そして本文中の絵はイラストレーターの牧野伊三夫さんに描いていただきました。昨日の日記や〈港の人〉のHP等では、黄色い帯をつけた表紙画像を載せましたが、帯を取るとまた違った印象になります。



この本の装幀は、デザイナーの倉茂透さんにお願いしました。本のイメージを伝える際に、いかにも語学書/参考書、という雰囲気ではなく、エッセイ本のようなおしゃれな本にしてほしいとお願いしたところ、牧野さんの絵をもとにこのような装幀に仕上げてくださいました。帯を取ると、日本語の書名はなく『THE TALKING BODY』という英語タイトルだけ、という大胆なデザインです。色鮮やかな絵と、牧野さんによる手書きの文字がとてもかわいらしく、まるで海外の絵本のような雰囲気です。語学書といえばちょっと堅い印象の本が多いと思いますが、棚にこんな本が置いていたら、ついつい手に取りたくなるのではないでしょうか。


ちなみに、カバーの裏面には、牧野さんがある表現をイメージして描いた絵を載せています。この絵だけを見ると「一体どんな状態?」と不思議に思うかもしれませんが、これは「skin」という語の意味する動作を表わしています。「skin」は、名詞で「肌」を意味する語句ですが、動詞として使う場合は果物などの「皮をむく」、動物の「皮をはぐ」という意味としても使われます。この絵では、犬(狼?)がまるで脱皮のように毛皮を剥ぎ取られています。かわいそうと思いながらも、ついつい笑ってしまう、ユーモアあふれる絵です。