洞口依子映画祭


そろそろ『再履修 とっても恥ずかしゼミナール』(万田邦敏著)が書店でも並び始めました。amazonではまだ販売が始まっていませんが、オンライン書店bk1ではすでに販売開始されています。また、本社でもネット注文を受け付けています。


ところで、本書の関連イベントというわけではないのですが、11月にはまさに本書の刊行に合わせたかのようなタイミングで、都内である上映イベントが開催されます。シネマヴェーラ渋谷で11月7日から行われる「洞口依子映画祭」です。


洞口依子さんは、1985年、伝説のカルト・ムービー『ドレミファ娘の血は騒ぐ』で映画デビューし、一躍時代のアイコンとなった女優さんです。この特集上映は、女優・洞口依子さんのデビュー25周年を記念したイベントということで、11月14日には、デビュー作『ドレミファ娘の血は騒ぐ』の上映と、同作の監督である黒沢清さんと洞口さんのトークショーを行うそうです。


実は『再履修 とっても恥ずかしゼミナール』はこの作品と深い関わりがあります。著者の万田邦敏さんは、立教大学時代に一年先輩である黒沢清さんとともに自主映画サークル「パロディアス・ユニティ」を立ち上げ、自主映画製作を行っています。その縁で、黒沢監督の長編デビュー作『ドレミファ娘〜』の製作に、脚本家・助監督として参加しているのです。


『ドレミファ娘〜』はもともと、日活ロマンポルノ『女子大生・恥ずかしゼミナール』として企画された作品です(このタイトルから、本書と深い関わりのあることがわかると思います)。黒沢監督の自主映画仲間たちが多数スタッフ・キャストとして参加して制作された本作は、撮影後に一旦お蔵入りとなり、改めて撮影・編集をし直した後に『ドレミファ娘の血は騒ぐ』として公開されました。本書では、万田さんが『女子大生・恥ずかしゼミナール』の企画からお蔵入りとなるまでの軌跡を丁寧に追った撮影日誌(「『女子大生・恥ずかしゼミナール』という映画」(前・後篇))が収録されています。


この撮影日誌は、同作を知るうえで貴重な資料となっているほか、黒沢さんや万田さんをはじめとして、「半分以上が素人に近い」スタッフ・キャストたちが、どのようにして初の商業長編映画の制作に立ち向かったのか、というドキュメントにもなっています。もちろん、本作でデビューした洞口依子さんについても詳細に描かれています。


洞口依子映画祭〉は、11月7日から11月20日まで、シネマヴェーラ渋谷にて開催予定です。映画祭中は映画館受付にて本書を販売しておりますので、ぜひとも足をお運びください。