『シネマ21 青山真治映画論+α集成 2001-2010』
映画監督・青山真治さんの映画批評集『シネマ21 青山真治映画論+α集成 2001-2010』(朝日新聞出版)が刊行されました。映画批評集としては、『われ映画を発見せり』(青土社)に続く二冊目となります。2001年から2010年までに発表された映画論、書評、エッセイ等を収めた、600ページにおよぶ大著です。本書には、港の人から2006年に刊行された『すべては映画のために! アルノー・デプレシャン発言集』に収録されたエッセイ「それでも映画は死なない」も収められています。
『再履修 とっても恥ずかしゼミナール』中の、万田さん、黒沢清さんとの座談会記事で、青山さんは、批評家としてのお二人は「蓮實さん以降の書き手の中で、ある種圧倒的にひとつの流れを作ったというか、変えた」と述べたうえで、「僕はお二人に比べて、書くことに対して抵抗はなかった」と、自身が批評を書くうえでの意識について語られています。それに対して後のお二人も自分の考えを述べているのですが、この部分は、映画監督兼映画批評家である3人の意識の違いがよくあらわれています。
ぜひ、万田さんの批評集、それから黒沢さんの批評集(『映像のカリスマ』『映画はおそろしい』)と合わせて読んでもらいたい一冊です。(ちなみに、本書の装幀は『再履修〜』と同じデザイナーの倉茂透さんが手がけています。)
- 作者: 青山真治
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/02/19
- メディア: 単行本
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