書評『アメリカのライト・ヴァース』(「読売新聞」評者:今福龍太)




「読売新聞」(4月18日朝刊)にて、『アメリカのライト・ヴァース』(西原克政著)の書評が掲載されました。評者は文化人類学者の今福龍太さんです。、ライト・ヴァースについての考察が展開される本書を、「刺激的でエスプリあふれる考察」が詰まった本、として紹介してくださいました。著者の西原さんは、ライト・ヴァースの文体を「揮発性」という表現で考察されましたが、今福さんはさらにその軽さを「言葉のシャボン玉」と言い表しています。


実は土曜日(17日)に馬喰町のART+EATで行われた今福龍太さんのトークイベント「書物変身譚vol.2」に行った際に、今福さん本人から「明日の読売に書評を書いたよ」と教えられ、「書評には書けなかったかけど、この本の造本も素晴らしいよね」と褒めていただきました。本書の本文には、あえて軽みのある用紙を使っています。そのため、本を手に取った瞬間に「軽さ」を感じられるつくりとなっているのですが、そんな造本上の企み(?)を、今福さんに見事に指摘されました。ぜひ店頭で手に取り、その「軽さ」を感じてみてください。

ライト・ヴァースとは何か。それは重厚な詩(ヘビー・ヴァース)にたいする風刺を含んだ異議申し立てである。
(中略)
ディキンソン、パウンド、スティーヴンズ、フロスト、カミングズら、アメリカ詩の綺羅星のごとき才人たちの軽妙な作品への見事な注釈から、ポール・サイモンのような音楽家の歌詞への詩学的な解釈に至るまで、ライト・ヴァースの美学からみた刺激的でエスプリあふれる考察が本書には詰まっている。
(今福龍太「読売新聞」4月18日朝刊より/書評記事はこちらから)

『アメリカのライト・ヴァース』
著者:西原克政
四六判/上製本/本文248ページ
定価:2,600円(本体価格・税別)
ISBN978-4-89629-219-0 C3098