書評『曠野と演劇』(上田美佐子著)「図書新聞」7月31日号



図書新聞」7月31日号に、『曠野と演劇』(上田美佐子著)の書評が掲載されました。評者は舞台批評家の高橋宏幸さん。「いくつものエッセイの集積から表れるのは、一言で言えば、著者の演劇にかける「情熱」だ」と評し、著者である上田美佐子さんの「情熱」や「行動範囲の広さと積極性」に感嘆しながら、両国の劇場シアターXがどのような活動を行っているのか、その特異性について紹介してくださいました。


本書は、シアターX(カイ)という劇場を牽引するひとりの女性の人生の記録であり、また、演劇・芸術の世界を駆け抜けてきた闘いの記録でもあります。その「情熱」あふれる記録を、ぜひ本書にてご覧ください。

タイトルにもある通り、著者のもつ原風景である満州という「曠野」。おそらく、彼女のもつ芸術観はそこからはじまり、演劇というメディアのなかの「芸術」的な作品に対して、徹底的に惚れ込んでいるという一言に尽きているのではないか。それほど、この本からは著者の演劇に対する熱い思いが伝わってくる。
(「図書新聞」7月31日号/高橋宏幸)

また、前号となる「図書新聞」7月24日号では、49名の方々が2010年上半期に出版された書籍・雑誌等のなかから印象に残った3点を選ぶ、「2010年上半期読書アンケート」が行われています。選者のひとりである詩人の小池昌代さんは、『アメリカのライト・ヴァース』を挙げてくださいました。以下は『アメリカのライト・ヴァース』の選評です。

著者は、米詩について深いひきだしを持つ人。詩の読解に富をもたらす大事な論考が並ぶ。ポール・サイモンの「四月になれば彼女は」が取り上げられていて凄くうれしい。
(「図書新聞」7月24日号/小池昌代@読書アンケート)


曠野と演劇

曠野と演劇

アメリカのライト・ヴァース

アメリカのライト・ヴァース