紹介記事『きのこ文学名作選』(「本の雑誌」「週刊文春」「週刊読書人」)


*「本の雑誌」2011年2月号



*「週刊文春」2011年1月27日号



*「週刊読書人」2011年1月14日号




きのこ文学名作選』、ありがたいことに雑誌等での紹介記事が続いています。書店での反応も好調のようで、うれしい限りです。



本の雑誌」2011年2月号では、「新刊めったくりガイド」のページで、榎本文昌さんが『きのこ文学名作選』を紹介してくれました。飯沢さんの『きのこ文学大全』(平凡社新書)や南方熊楠の著作で、いち早くきのこの魅力に取り憑かれていたという榎本さん。この小説にも幻想的なきのこシーンが登場する、ということで、先日芥川賞を受賞したばかりの朝吹真理子さんの『流跡』と一緒に紹介しています。

目を見張るのはその装丁と造本だ。狂ってやがる(いい意味です!)。短篇ごとに紙も組版も字体も色も違う。物語に合ったそれを組み合わせた美妙な作りになっている。
(略)
肝心の内容はというと、きのこがメインテーマのものもあれば、さりげないワンシーンにきのこが登場し幻想性を持たせているものもあり、どちらにせよ様々なきのこが「現実世界からアナザーワールド」へ誘う役割を果たしている。まさにマジックマッシュールムである。熊楠の菌類の定義が腑に落ちる一冊だ。
(榎本文昌「本の雑誌」2011年2月号)


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週刊文春」2011年1月27日号では、エッセイストの酒井順子さんが、「私の読書日記」のページで本書を紹介してくれました。「私の読書日記」は、立花隆さん、鹿島茂さん、池澤夏樹さん、山崎努さん、酒井順子さんが、毎週交代で、最近読んだ本を日記形式で紹介する名物コーナー。酒井順子さんは、「キノコ、コーヒー、ひとりもの」という見出しのとおり、『きのこ文学名作選』、田口護『カフェを100年 、続けるために』(旭屋出版)、バーバラ・ピムよくできた女』(みすず書房)の3冊を順に紹介しています。「本の雑誌」の榎本さんと同じように、本書の装丁や造本についても詳しく述べており、やはりこの本は装丁も含めて一冊の魅力となっているのだな、と改めて感じました。

読者をきのこの世界へと誘う罠は、そこここに施してある。凝りすぎた装丁というのは、時に読者を白けさせるものだが、この本の装丁は、きのこ世界へと読者をひきずり込むのに大きな力を発揮している。
(略)
きのこの魔性をこれでもかと感じさせるこの一冊は、編者の欲求がたっぷりと注入された、本自体がきのこのような存在感。にじみ出るダシのあまりの濃厚さに、読んだ後もしばらくはくらくらと……。
酒井順子週刊文春」2011年1月27日号)


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その他、「週刊読書人」2011年1月14日号でも、新刊書籍として『石都奇譚集』と『きのこ文学名作選』の2冊を紹介していただきました。この2冊、一見するとまったく異なる種類の本にも思えますが、どちらも、読む人を妖しい幻想世界へと誘い込む書物と言えます。すでに片方を読まれた方は、ぜひもうひとつの幻想世界へも足を踏み込んでみてはいかがでしょうか?




きのこ文学名作選

きのこ文学名作選

石都奇譚集?ストーンタウン・ストーリーズ

石都奇譚集?ストーンタウン・ストーリーズ