新刊『ホロホロチョウのよる』ミロコマチコ著(四月と十月文庫2)




このたび、新刊『ホロホロチョウのよる』を刊行しました。今年の春からスタートした〈四月と十月文庫〉の第2弾は、新進気鋭の画家・絵本作家のミロコマチコさんによる画文集です。装幀は第1弾『えびな書店店主の記』と同じく、画家の牧野伊三夫さん。装画は、ミロコマチコさんが5、6歳の頃に描いた絵だそうです。


著者のミロコマチコさんは、1981年、大阪府枚方市生まれの画家・絵本作家。動植物を主に描き、大阪・東京での個展・グループ展を中心に活動し、2010年に初の絵本『やまのいえで』をカイトプレスより発行。同年より「四月と十月」の同人となり、2011年「HBファイルコンペvol.21」藤枝リュウジ賞を受賞しています。まだ若い作家さんですが、力強いタッチと独自の色彩で描いたその作品はどれもパワフルで、これからの活躍が期待されます。


本書に収録されたエッセイは、いくつか「四月と十月」に発表したものもありますが、多くは今回の本のために書き下ろしたものです。実家のマンションにある倉庫を利用した「初めての個展」のこと、大阪や東京などさまざまな場所で行ってきた個展や、子どもたちと絵を描いたワークショップの話、ずっと夢だったという絵本作りへの思いなど、大阪と東京を行き来しながら創作活動に奮闘する日々が描かれています。


子供の頃の思い出やお父さんの話、こよなく愛する猫の鉄三の話など、何気ないできごとを綴った文章にも、ミロコさんの絵と同じようなパンチ力のある面白さがあり、読んでいるこちらも元気になってきます。


ちなみに、本書のカラー口絵ページ(2枚)には、最近の作品ではなく、なんと小学生時代のミロコさんが書いた作文と絵が載っています。私も初めはびっくりしましたが、本書を読むと、それもまたミロコさんの初めての本にぴったりのような気がしてきました。絵を描くのが好きだった小さな女の子が、やがて画家になるまでの日々が浮かんでくるような、小さいけれど愛らしい本です。


ミロコマチコ オフィシャルHPはこちら


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さて、本書を読めばきっとミロコマチコさんの絵を実際に見てみたくなると思います。9月、10月には、本書の刊行を記念して、東京・大阪・京都で以下のようなイベントが開催されます。興味のある方はぜひ生のミロコさんと、その作品を見にお越しください。


★サイのせなかにのって空に絵を描く
東京・谷中のギャラリー〈やぶさいそうすけ〉で、ミロコマチコさんが描いた天井画が公開中。様々なイベントも開催しています(〜10月8日)。
9月27日(火)19時半〜「カメのおなかで小さな演奏会」(大口俊輔×神田智子×ミロコマチコ)全席自由2500円。
10月1日(土)ミロコマチコのワークショップ (仮)
【会場】やぶさいそうすけ(東京・谷中)


★ミロコマチコ ライブペインティング
9月23日(金・祝)京都・ガケ書房にて午後2時〜(ガケ書房の車横壁面にて)。午後4時からサイン会も開催予定。
【会場】ガケ書房京都市左京区
*『ホロホロチョウのよる』には、昔、ミロコさんがガケ書房入り口の壁に描いたもぐらの絵の話も登場します。



★ミロコマチコ 出版記念展:ホロホロチョウのよる
9月14日(水)〜25日(日)、大阪のiTohen(いとへん)にてミロコマチコ展を開催。
最終日25日は16時より著者によるトークイベント&サイン会。 ゲストスピーカーに、里舘勇治(港の人)、牧野伊三夫(四月と十月編集長/画家)、徳留佳乃(編集者)。参加費:1,500円(1ドリンクをお付けして)*牧野伊三夫さん特製の“ハイボール”が登場です!
【会場】Books Coffee Gallery iTohen大阪市北区