新刊『身を置くところで光となれ』(細川照子著)が出来上がりました。

*装幀は清水理江さん



11月の新刊『身を置くところで光となれ 東京深川おんなの土性っ骨』(細川照子著)が出来上がりました。著者は、東京深川で生まれ育ち、細川民族舞踊研究会代表をつとめる細川照子さん。戦後間もなく民踊の細川流を創始した母を継ぎ、二代目・細川千光として弟子たちの育成にとりくんできた細川さんが、自身の生い立ちを語りおろした評伝です。


現在も活動をつづける民踊の話だけでなく、戦前の東京・深川の貴重な話から、東京大空襲も体験した第二次世界大戦のこと、そして戦後に関わった労働運動のこと。戦前戦後の世界をたくましく生き抜いてきたひとりの女性の軌跡がつづられた1冊です。

お国のためにと血気盛んだった女学校時代、昭和20年3月10日東京大空襲の体験、そして戦後は「昭和の労働運動家」といわれる合化労連委員長の太田薫の秘書を務め労働運動の現場に立ち会う。自らのがんを乗り越え、さらに下町の人々に民踊を教え細川流をはじめた母を継いで、踊りの世界を深めていくとともに、日本の踊りをひろく海外に伝える……。波乱の時代を生き抜いた人生の先達からの貴重な教え、日本の未来を背負う次世代へのあたたかい励ましの言葉にあふれた本です。


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今週末には、有山達也エッセイ集『装幀のなかの絵』(四月と十月文庫)、そして12月には、サウダージ・ブックスとの共作になる『はじまれ 犀の角問わず語り』(姜信子著)を刊行します。こちらの2冊もぜひ楽しみにしています。