新刊/詩集『転位論』(中田敬二)


装幀は横須賀拓さん。
カバー表には牧野伊三夫さんの絵が、カバー裏には中田さんによる写真が使用されています。



本文中にも、牧野伊三夫さんの絵が多数収録されています。



本文ページ「転位論?」


このたび、新刊『転位論』ができあがりました。2012年最初の刊行書籍です。本書は、詩人・中田敬二さんの最新詩集。生涯の旅の人生から紡いだ思想から、生きること、死ぬことを照射して新たな境地を拓いた傑作詩集です。


中田さんは、1924年サハリン生まれ、今年で88歳になります。40歳頃から詩を本格的に書き始め、68年第一詩集『埠頭』を上梓。その後イタリアを往き来し、須賀敦子、詩人アダ・ドナーティらと親交。高校教師、農業、自営業などさまざまな職を経ても、詩作活動は精力的に継続し、生来の旅人の視座から数多くの詩集を発表しています。


本書『転位論』では、詩の歩みが日々生きることを明らかにした連作の四行詩「るばいやーと・片言(かたこと)集」や詩群「雲のつぶやき」など、詩人本人による写真や牧野伊三夫さんの絵と共に構成されています。また、ジェームス・ケティングさんによる英訳や、中田さんが翻訳したイタリアの詩人アダ・ドナーティの詩も収められ、味わいぶかい詩集となっています。


ブックデザインを手がけたのは、横須賀拓さん。本文のなかで詩のことばがさまざまに踊っているような、不思議でおもしろい詩集に仕上がりました。ぜひ書店にてご覧ください。