「神奈川新聞」で詩集『転位論』が紹介されました。



「神奈川新聞」3月9日文化欄「神奈川の文化時評〈現代詩〉」で、中田敬二さんの詩集『転位論』が紹介されました。


「時評」の執筆者は、詩人の柴田千晶さん。H氏賞中原中也小賞をそれぞれ受賞した若い2詩人(廿楽順治、暁方ミセイ)の詩集の他、88歳の中田さんの『転位論』と87歳の詩人・石川宏さんの『天日の翳り』(かまくら春秋社)を、それから2冊の詩誌を紹介しています。


『転位論』は、サハリン生まれの詩人が生涯の旅の人生から紡いだ傑作詩集。少部数ですが、書店でも販売しています。ご興味のある方はぜひ手に取ってご覧ください。

『転位論』(港の人)はユニークな詩集。中田の写真や牧野伊三夫の絵が多数挿入されていて視覚的にも楽しめる。詩のスタイルも四行詩あり、ビジュアル詩ありと多様。他にジェームス・ケティングによる英訳詩、アダ・ドナーティのイタリア語詩も収録され、やや盛り込み過ぎの感があるが、それも中田の精神の自在さと言えるかもしれない。


(略)


生来の旅人である中田の言葉はときおり深いところにコツンと届く。




柴田千晶 (「神奈川新聞」2012年3月9日)