橋口幸子さんのエッセイが「en-taxi」に掲載されました。



現在発売中の「en-taxi」第35号に、『珈琲とエクレアと詩人』の著者、橋口幸子さんのエッセイ「こんこん狐に誘われて 田村隆一さんのこと」が掲載されました。橋口さんが「en-taxi」にエッセイを書かれたこと、それも詩人・田村隆一さんとの思い出を綴ったエッセイだとうかがってから、ずっと楽しみにしていました。さらにうれしいことに、タイトルページには、『珈琲とエクレアと詩人』の装丁/装画を手がけた清水理江さんのイラストが掲載されています。


珈琲とエクレアと詩人』は、橋口さんが間借りしていた稲村ヶ崎の家で、詩人・北村太郎さんと、その恋人だった「大家」と一緒に暮らした日々を描いたエッセイ。そして「en-taxi」掲載の「こんこん狐に誘われて」は、この稲村ケ崎の家に「大家」の夫だった田村隆一さんが帰ってきてからの話。本書では「詩人」と「大家」としか語られていなかったふたりが、今回は「田村さん」と「和子さん」として登場します。


北村さんのときと同じように、階段をはさんでドアが向いあった二部屋で、橋口さん夫婦と田村隆一は暮らすようになります。不思議な縁で、ふたりの詩人と同じ家に暮らした橋口さん。けれど、田村さんと過ごした日々は、北村さんと過ごしたものとは何かが違っているように思えます。ぜひ『珈琲とエクレアと詩人』と併せて読んでほしい文章です。


鎌倉の喫茶店イワタで「珈琲とエクレア」を頼むのが好きだった「詩人」の北村太郎さん。この「こんこん狐に誘われて」というエッセイのタイトルにも、橋口さんが知る田村さんのある思い出が秘められています。ぜひ「en-taxi」本誌にて確かめてみてください。