今野真二教授 選書フェア「日本語と書物の深層へ」



あっという間に2月になってしまいました。先日のBOOK MARKET 2013は連日大盛況で、本好きのお客さんとの交流を体験できた、とても充実した2日間となりました。


さて今日は、来週から始まる書店でのフェアのお知らせです。東京堂書店神田神保町店3階にて、2月10日(日)から、日本語学者の今野真二教授による選書フェア「日本語と書物の深層へ」が始まります!


今野真二教授は、弊社から『ボール表紙本と明治の日本語』『漢語辞書論攷』『文献日本語学』を刊行している、気鋭の日本語学者。この他にも、『百年前の日本語』(岩波新書)、『消された漱石』(笠間書院)といった著書があります。今回のフェアは、「文献日本語学」という新たなアプローチを提案する今野真二教授が、その発想にヒントを得た20冊の本をご紹介します。また3月9日(土)にはトークイベント「明治の日本語を探検する」も開催します。


日本語学関連の本に限らず、様々な視点から日本語と書物について考えるための選書フェアです。フェアでは、今野教授による選書コメントをまとめた特製リーフレットも配布いたします。みなさま、ぜひいらしてください。


フェアの様子は東京堂のサイト(こちら)に掲載されています。


フェア開催にあたって




気鋭の日本語学者・今野真二教授は、「文献日本語学」という新たなアプローチを提案しています。


「文献日本語学」ということばは、一般には聞き慣れないかもしれません。つまり「文献にもとづく日本語学」ということなのですが、テキスト=文献に徹底的に密着し、そこに埋め込まれた情報を丁寧にかつ慎重に分析するのが、その手法です。目指すのは、分析者の主観や意図を超えて、文献のなかに潜む日本語のメカニズムやその歴史をあきらかにすること。それは、内省によらない日本語学ともいえるでしょう。


文献には、それが誕生した時代や社会についての膨大な情報が埋め込まれています。ですから「文献日本語学」の実践においては、その文献が、どのような紙に、どのような文字で記されたのか、あるいはどのような活字で印刷され、どのように製本されたのか、いつ、誰によって出版されたものなのか、といった「書誌学/文献学」的考察も必要とされます。異なる分野の学門をも横断する複眼的なアプローチこそ、「文献日本語学」の魅力なのです。


電子書籍をはじめ、文化全般において電子化が進む今日において、「物」として存在する文献と徹底して向き合う今野教授のアプローチは、「書物とは何か」「日本語とは何か」という問題をわたしたちに投げかけています。


今回のフェアでは、今野真二教授が発想にヒントを得た20冊の本を取り上げます。日本語学関連の本に限らず、さまざまな視点から日本語と書物について考えるための選書フェアです。これをきっかけに、わたしたちのことば、日本語について興味を持っていただければ幸いです。

港の人プレゼンツ
日本語学者 今野真二教授 選書フェア
「日本語と書物の深層へ」


2013年2月10日〜3月中旬頃


東京堂書店神田神保町店3階
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1丁目17番地
TEL 03-3291-5185/FAX 03-3293-7857



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フェア開催記念
今野真二教授トークイベント「明治の日本語を探険する」


文豪夏目漱石はどんな日本語を使っていたの? 
ボール表紙本に書かれた日本語はユニークでびっくり!
『こころ』や『道草』が掲載された新聞紙面が貼られた当時のスクラップブックを見ながら、漱石の日本語を知る。
さらに明治に出現したボール表紙本のページをめくってみる。
今野真二教授に連れられて、明治の豊かな日本語の世界を探検する。


開催日時:3月9日(土)16:00〜17:30(開場15:30)
開催場所:東京堂書店神田神保町店6階東京堂ホール
定員:80名
参加方法:参加費800円(ドリンク付き 要予約)
店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、件名「今野さんトークイベント参加希望」とお申し出いただき、お名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。イベント当日と前日は、お電話にてお問い合わせください。
電話:03-3291-5181
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=4467