『胞子文学名作選』制作過程その1
さて、完成まであと10日あまりとなった『胞子文学名作選』。本書は、2010年に刊行し話題となった『きのこ文学名作選』(3000部限定、現在品切中)の姉妹編ともいえる一冊。前回はきのこをテーマにした日本文学作品を集めたアンソロジーでしたが、『胞子文学名作選』は、きのこをはじめ、苔、カビ、羊歯、麹、海藻など、胞子によって生殖活動をする生物たちをテーマにしたアンソロジーです。
『きのこ文学名作選』は、その大胆なブックデザインも話題になりました。この本のブックデザインは、コズフィッシュの祖父江慎さんと吉岡秀典さんとのおふたりによって手がけられました。今回の『胞子文学名作選』は、コズフィッシュから独立された吉岡秀典さん(セプテンバーカウボーイ)にお願いしています。
そんな『胞子文学名作選』の制作過程を、これから少しずつご紹介していきたいと思います。まずは2010年に刊行した『きのこ文学名作選』のご紹介から。
カバーに大きな穴がぼこぼことあいています。穴の中からは金色がきらきらと輝いています。
本文も数種類の紙を使い、作品によってデザインもすべて変えるというこだわりぶり。きのこの図版や絵もたくさん収録されています。
お待たせしました。今度は『胞子文学名作選』のカバー見本です。
ご覧のとおり、こちらも大きな穴があいています。よく見ると、『きのこ文学名作選』とまったく同じ穴です。実は『胞子文学名作選』では『きのこ文学名作選』のカバーに使ったのと同じ型を再利用し、大きな穴をあけています。最初は『きのこ〜』を作ってくれた製本会社さんが廃業してしまっていたため再利用はあきらめていたのですが、なぜか印刷所の営業担当さんの机からその型が発見され、無事使うことができたのだそうです。
そしてカバーに描かれたたくさんの「胞子」その他の絵は、『きのこ文学名作選』でも装画・挿画を手がけてくれた松田水緒さんの作品です。
そして中身の方はどうかというと……
こちらは本文の色校の写真。色味などを確認するための、本印刷の前の仮刷りの段階です。まだ制作途中ですが、どうやら本文の方も前回同様おもしろいことになっているようです。
気になる続きはまた後日!
★本書の刊行を記念したトークイベント「きのこニョキニョキ×胞子ふわふわ 文学談義」(飯沢耕太郎×田中美穂)も予約受付中!
http://www.minatonohito.jp/kamakurabf/#event