関西の書店のこと3(大阪・長谷川書店)


*ほっと一息つくための本を集めた特集「こころの休憩室」(現在は終了)



*特集「このば つむぐ 日々」






*写真はすべて長谷川書店島本店で撮影したものです(4月23日)。


さて、大阪の書店のうち最後にご紹介したいのは、島本町(水無瀬駅)にある長谷川書店です。実はこの書店、夏葉社の本が置いてあるということで、以前から気になっていたお店です。ブログを見てみると、最近入荷した本の紹介や、お店につくった特集コーナーをこまめに紹介しています。島本町という、中心街からは離れた場所にあるのも気になり、大阪から京都に向かう途中に寄ってみることにしました。


長谷川書店は、もともとは水無瀬駅から1分ほど歩いた場所にある島本店一店のみだったのが、2年前に2号店として駅前店をオープンさせたそうです。当日お会いしたのは、駅前店の店長をつとめる長谷川さんという若い男の方でした(島本店の店長の甥御さんだそうです)。夕方頃に伺いご挨拶をしたところ、「わざわざこんな小さな所に…」と驚いていましたが、夏葉社さん経由でこのお店を知ったことを伝えると、お店のことやお客さんのことなど、いろいろとお話ししてくれました。


阪急京都本線の水無瀬駅を降りて改札を出るとすぐに、長谷川書店の水無瀬駅前店がありました。お店の外見はよくある駅前の小さな書店といった雰囲気ですが、お店のなかに入ってみるとすぐに「お、何か違うぞ」と気がつきます。こういった書店ではよく、入り口の近くに雑誌や新刊書など手に取りやすいものがまず並べていたりしますが、こちらのお店では入り口のすぐ近くの棚や、入ってすぐ目につくレジの前に、ちょっとしたフェアが展開されていました。このときの特集フェアは、旅に関する本を集めた「旅にまつわるエトセトラ」や女性向けの美容本などを中心とした「きれいになりたい」などでした。ただし、フェアといっても大仰なPOPなどはつけず、「ミニコーナー」といった感じでしたが。


長谷川さん曰く、一番のお客さんは街の小中学生がほとんどということで、コミック本や雑誌、文庫などももちろん並んでいました。お話を伺っている最中も、雑誌をコミックを立ち読みしている学生さんたちが何人かいたり、学校の教科書を購入しに中学生らしき男の子がやって来たり、子供連れの若いお母さんがお店の人と立ち話をしていたりと、いかにも「街の書店」といった光景が見られました。そういった点では、たとえば鎌倉のたらば書房のような「一見街の小さな本屋だけど、渋い文芸書や人文書などが充実している」という感じとも違うようでした。フェア台や書棚に平積みされている本も、それぞれ1冊〜3冊くらいがそっと積んであるといった様子で、「もし気になったら手に取ってみてくださいね」とさりげなくお勧めしているような雰囲気です。


少し歩いたところにある島本店の方でも、こういったミニコーナーがいくつか作られていました。長谷川さんは、「小さな店なのでたいしたものは置いていませんが」としきりに謙遜していましたが、常備棚を見ても、丁寧に本を選んでいる様子が伝わってきました。常連客には図書館の司書の方も多いということでしたが、近所の方々の要望を取り入れつつ、おすすめの本をさりげなく提案していく、すてきな「街の書店」の姿を見れたと思います。また、実物は見れませんでしたが、お客さんに配る新聞も作っていて、おすすめの本や特集コーナーの紹介などもしているそうです。上に貼った棚の写真を見て、少しでもお店の雰囲気を感じていただければうれしいです(写真はすべて島本店で撮影したものです)。


さて4月にお店を訪ねた縁で、長谷川書店では、弊社と夏葉社の本とを並べた「小出版社の本棚」というコーナーを作っていただきました。大阪・梅田駅から30分ほど、京都からも20〜30分にある、阪急京都本線の水無瀬駅近くにある書店です。関西にお住まいの方は、ぜひ訪ねてみてください。


長谷川書店
島本店 〒618-1111 大阪府三島郡島本町広瀬4丁目26-13
    TEL/FAX 075-961-6118
  >>(阪急水無瀬駅 下車 島本センター街を抜けたところ 徒歩1分)

水無瀬駅前店 〒618- 大阪府三島郡島本町水無瀬1丁目
       TEL/FAX 075-961-1560
  >>(阪急水無瀬下車 改札口を出て駅構内、右手に見えます)
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